接戦の今シーズン、両者の意地がぶつかるマージーサイド・ダービー

 ともにリヴァプールに本拠を構え、ホームスタジアム同士は直線距離にして600メートルほどしか離れていないリヴァプールとエヴァートン。両者の対戦は“マージーサイド・ダービー”と呼ばれ、プレミアリーグで最も危険なダービーマッチとして大きな盛り上がりを見せている。現在、エヴァートンが6位、リヴァプールが7位と順位の上でも実力が伯仲しているだけに、今回のダービーは両者の意地を懸けた激しい戦いとなることが予想される。

 

 リヴァプールは前々節のチェルシー戦で絶対的エースのスアレスが相手に噛み付くという前代未聞の不祥事を起こし、10試合の出場停止処分に。大きな危機に陥ったが、前節のニューカッスル戦ではスタリッジの2ゴールなどにより6-0の大勝を飾った。シーズンをいい形で締めくくるためにも、ライバルを叩いて勢いを持続させたいところだ。

 

 エヴァートン戦では、そのスタリッジに加えボリーニの活躍にも期待がかかる。肩の脱臼で長期離脱していたが、ニューカッスル戦で復帰しプレミアリーグ初ゴールを記録。「このダービーマッチが持つ意味、サポーターの思いは分かっている」と、2戦連発に向けてモチベーションを高めている。

 

 一方のエヴァートンは、5位トッテナムとの勝ち点差が3、4位アーセナルとの勝ち点差が5と、ヨーロッパカップ出場に向けて取りこぼしが許されない状況が続いている。モイーズ監督は「これ以上、ポイントを落とすことはできない。次の試合でも勝たなければならない」と語っており、普段のダービー以上に気合をみなぎらせてこの試合に臨むはずだ。

 

 ただ、ここ3試合でわずか1ゴールと攻撃面には不安が残る。勝利のためにはチームトップの11ゴールを挙げているフェライーニ、生え抜きのアニチェベらの奮起が必要不可欠だ。

 

 10月のダービーは2-2の痛み分け。完全決着戦となる今回のダービー、生半可な内容と結果ではサポーターは許してくれないだろう。